投資と貯蓄と貿易収支

少し前の日経新聞に、貿易赤字は、悪者かというような内容のコラムが掲載されていた。結論は、貿易赤字自体が悪ではなく、投資と貯蓄の中身が問題だというものでした。2000年前後の米国の国内IT投資増加による貿易赤字が、悪ではなかったという例を示して、国内投資が増大局面では問題ないというものです。

マクロ経済学の計算式上では、政府を無視すれば、貯蓄-投資=貿易収支です。しかし、自分は、貿易収支の結果が、貯蓄投資バランスを決定しているように思われます。競争力のある製品を作ることで、貿易黒字になり、貯蓄超過になるだけのような気がします。

それが正しいとすると、個人消費を増加させて過剰貯蓄体制を変革せよという主張は、間違っていると思います。日本の製造業が高コスト体質になるだけです。