中国はバブルに突入したか?

1月から中国政府が、銀行に対して強烈な窓口指導を開始しています。とにかく、金を貸せー!というものです。

おかげで、株価上昇、コモディティ価格上昇をもたらしています。

このようなフェーズを経て、米国→中国へのシフトが進んでいきそうです。中国が目指すは、通貨、言語、軍事で世界の覇権を握ることです。

【米経済コラム】新たな「不合理な熱狂」が曇らせる現実
−ペセック2009-05-11
5月11日(ブルームバーグ):崩壊したばかりのバブルからうまい成果が得られなければ、新たなバブルを形成すればよい−。そんな論拠があたかもアジアの投資家をつき動かしているかのようだ。   
投資家らの楽観的な見方が、MSCIアジア太平洋指数を3月9日に付けた5年ぶりの安値水準から38%押し上げている。リセッション(景気後退)に苦しむ香港市場だけでも52%値上がりし、デフレが再燃する日本でも株価は上昇している。   
リセッションと不良資産に覆われる世界にあって、アジア地域の打撃が最も小さいという現実を疑う余地はほとんどない。しかし、38%や52%は行き過ぎではないか。また、日本に強気になるそれだけの理由があるだろうか。   
株価上昇をもたらしているのは、米国が第2の大恐慌に向かっていないのではないかという兆しが表れていることに尽きる。堅実な成長が始まっている兆候や、われわれのなかですぐにホームレスになる人間が少なくて済むという感覚だけが強気相場の裏付けになっているわけでもない。誰かがバブルを演出しているのか。
          「不合理な熱狂3.0」   
グリーンスパン米連邦準備制度理事会FRB)議長が1996年当時の資産価格の上昇を表現するために用いた言葉があるが、それが言い古されてしまった「不合理な熱狂3.0」の世界にようこそ、と言うべきだろうか。   
しかし、2009年の現在においては、インターネット検索の精度を飛躍的に高める次世代ネット基盤「ウェブ3.0」をめぐる話と、グリーンスパン氏の決めぜりふの背後にある心象とが、ごちゃ混ぜになっていることに問題の元凶がある。   
ウェブ3.0と金融危機は、その将来が見る人次第だという点で共通している。米金融機関のストレステスト(健全性審査)の結果を見て喜ぶ人もいれば、バランスシートの内容が眠れないほど心配になる人もいる。ウェブ3.0についても同様に、未開拓の商機という広大な地平が広がっているとみる人もいれば、次世代のサイバースペースがプライバシーと著作権を消し去ってしまうと懸念する人もいる。      
   わずかな明るい兆し   
良いニュースを暗示するほんのわずかな兆候をとらえようとする気持ちは理解できる。アジア・太平洋地域では、バーナンキFRB議長が指摘する「芽吹き」が起こりつつある兆しが見て取れる。オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)のスティーブンス総裁とラッド首相は先月、同国経済が既にリセッション入りしていると警告した。だがこれを打ち消すかのように、3月の小売売上高は過去4カ月で最大の増加を記録。同国の対中輸出も今年に入って80%急増している。   
中国政府の総額4兆元(約57兆円)の景気刺激策による部分も大きい。多くの人々が金融緩和と財政政策によって成長を確保できるとみているが、いずれもアジア市場の株価上昇を説明する十分な理由とは思えない。米経済の動向は確かに重要な根拠になり得る。米景気は明らかに底打ちしたとは言い難い状況だが、仮に底打ちしたとしても、アジアの輸出業者のビジネスが正常化することを意味するわけではない。   
われわれが目にしている株価上昇が、世界的な弱気相場のなかでの一時的な反発にすぎない「ベアマーケット・ラリー」である紛れもないリスクが存在する。
10年前には、単純明快に中央銀行が利下げし、政府が支出を拡大することで成長が回復した。しかし、今やノンバンクによる巨額の貸し出しや投資目的会社(SIV)、レバレッジレバレッジを積み重ねた金融商品が、古い金融制度に取って代わっている。           

リスクがなくなる幻想   
ある意味において、市場は既に「3.0」の環境に到達したと信じ込んでいたが、その直前に「1.0」から「2.0」に移行したにすぎなかった。リスクがなくなったという幻想が、リスクを単に隠しているだけの金融システムによって増幅されていた。「2.0」の市場の考え方に戻り、それを機能させることが課題だ。   
政策担当者らがその課題に真剣になれば、透明性と説明責任の向上に重点的に取り組む必要が生まれる。しかし今のところ、新たに発生した不合理な熱狂がその現実を見えにくくしている。