りそな銀行の時価総額が、みずほ銀行を上回る

ちょっと前のできごとですが、りそなの時価総額がみずほを上回ったことがありました。

日経は、もっともらしい理由をつけて報道していますが、もちろんありえないことです。

結論からいうと、りそなが大規模の自社株買いを行っているからです。りそな株を高いと思っているヘッジファンドなどが大量の空売りを行っているのですが、自社株買いで踏み上げにあっているというわけです。

現在の日本株式マーケットは、ロングセルがないので(株価が下がり過ぎているので、長期投資家でいまさら売りたい人はいない)ショートセルと短期のロングで株価がついています。その結果が、自社株買いのロングで、ショートがひたすら踏まれるという異常な構図を作り出し、りそな株の暴騰を招いてしまったのです。

日本版フォルクスワーゲン現象です。フォルクスワーゲンは、踏み上げにより、一時期、世界最大の会社になってしまいました。。。


株式時価総額、りそな、みずほを逆転、03年の実質国有化以降で初。
2009/03/11, 日本経済新聞 朝刊, 4ページ

株持ち合い解消が奏功 収益力はなお課題
 りそなホールディングスの株式時価総額が十日、二〇〇三年に実質国有化されてから初めて、三メガバンクの一角であるみずほフィナンシャルグループを上回った。りそなは株式持ち合いの解消に取り組んだことで、他の大手銀行に比べて保有株が少なく、昨年秋以降の世界株安に伴う損失が小さいことなどが投資家から評価されているようだ。

 りそなの十日終値ベースの時価総額は一兆八千六百八十三億円。みずほは一兆八千六百六十八億円で、十五億円上回った。〇八年九月末の総資産(銀行勘定)はみずほの百五十三兆円に対し、りそなは三十九兆円。規模では引き離されているりそなが時価総額で逆転する状況になっている。

 背景にあるのは昨年秋以降の世界的な株安。りそなは実質国有化されてから細谷英二会長の主導で保有株を一兆数千億円から四千億円弱まで減らした。数兆円規模の株式を保有するメガバンクに比べ株価変動の影響を受けにくく、〇八年四―十二月期の連結最終損益は大手銀で首位になった。

 海外貸出業務から撤退しており、金融危機の影響も相対的に軽微。国際的な投資銀行業務に力を入れていたみずほと明暗が分かれた。国が保有する優先株普通株に転換する事態に備え、りそなが自社株買いを進めていることも需給改善に寄与しているとみられる。

 JPモルガン証券の笹島勝人アナリストは「銀行の経営環境が急激に悪化するなか、堅実経営の魅力が目立っている」と指摘。ただ「収益力で他行を上回っているとはいえず、長期的に勝ち続けるかは分からない」と話している。