エンロン2

今日も疲れました。ここ2週間ほどの株式市場は、多くのヘッジファンドマネジャーたちを困惑させています。みんな、ほかの人が何を考えているのかの探り合いです。日本のロングオンリーは、そもそも売ってなかったので、気づいたら戻ってきているといったところでしょうか。

エンロンの続きを。

金融は、お金の格差を埋めることで社会の成長を促す仕事です。不必要なところに溜まっているお金を、必要なところに移すというだけです。不必要な人(低成長の成熟した産業)は、安くお金を貸してくれますし、必要な人(高成長な発展段階の産業)は、高く借りてくれるので、そこにマージンがうまれるというわけです。その仕組みがマーケットと言えるでしょう。問題は、マーケットの中で、どうやってハイマージンのビジネスを見つけるかです。その基本となるのが情報格差だと思います。

黒いビジネスになるか、白いビジネスになるかは、この情報格差の度合によって決まると考えてよいでしょう。マーケットの中で、独占的に知った情報を使うことは、インサイダーで違法行為です。しかし、みんなが知っている情報には、価値がありません。すでにマーケットの中で、適正なプライスがつけられてしまっているからです。結局、グレーゾーンで勝負するしかないということでしょう。

さて、エンロンですが、彼らは、それすら飛び越えて、自身で情報を作り出し(カルフォルニアの停電)、それを元にトレードをしていました。これなら、儲かるのは、当たり前です。実態経済の効率化を促すことが金融の役割にも関わらず、反対に金融が実態経済を非効率にした悪しき例でしょう。

FACTAなどの週刊誌でたたかれている新興上場企業も同じ穴のムジナでしょう。自社の真実の姿と、株式マーケットに理解させている自社の姿との差を利用して儲けようとしている意図が見え隠れしています。

結論が、あらぬところに向かってしまいましたが、日本のベンチャーが育たない本質的な理由は、このへんにあるのではないでしょうか。