投資銀行の仕事2

今日は、やっとまともなマーケットが戻ってきた!という感じです。場中に発表された化学の会社の決算にも、株価は素直に反応しました。しばらくは、下げ相場が続くと思います。特に、直近大きく上げてバリュエーションが上がりすぎている銘柄はきつそうです。

さて、投資銀行の仕事ですが、③のバックオフィスの説明を。バックオフィスは、アドバイザリー部門とマーケット部門の双方を統一してサポートしています(チャイニーズウォールはないという意味です)。具体的な部署には、以下のようなものがあります。

 ①テクノロジー(ITシステムなど)
 ②ファイナンス(財務部)
 ③オペレーション(トレーディングシステムの運用など)
 ④人事部(プロモーションや採用の権利はない)
 ⑤経営戦略部(秘書室、経営企画部のようなもの)

社員の中で、一番多いのは、このバックオフィスです。弊社の日本オフィスでは、70%くらいは、バックオフィスの社員です。テクノロジーがその中で、一番多く全社員の30%ほどを占めると思います。外資系の投資銀行では、トレーディングシステムなどをすべて自前で構築しているため、高度なIT技術者を擁しています。自分の同期でも、ITの採用が、一番多かったように思います。投資銀行のIT採用は、意外と知られていないと思いますが、労働環境、報酬ともに非常に良いと思います。

また、投資銀行では、日本企業では、出世コースといわれる、財務部、人事部、経営戦略部などに大きな権限はありません。人事権は、採用、出世ともにその部署の部長が持っています。結果として、外資系では、人間関係が濃くなりがちで、上司が転職したら、そのまま部下も付いていく例が多くあります。

人事権の無い人事部の主な仕事は、給料の支払い、福利制度の運用、研修のサポート、新卒採用の広報活動(実際の面接は各部署で行い欲しい人材を採る)などです。

バックオフィスに新卒で入った人が、2-3年でフロントに異動するケースも多くあります。今年1月に歴代最高の7,700億円の巨額損失を発生させてたソシエテゼネラルのトレーダーも元バックオフィス出身でした。もともとバックにいたので、どのようにしたら自分のポジションを隠すことができたのか熟知していたようです。

投資銀行の仕事は、まだまだ書くべきことが多いので、ちょっと長くなりそうです。