最近の株式市場

日経平均は、夏くらいまでは、9000円前後で落ち着くと予想します。

理由は、PBR1倍からPERへバリュエーションが変化する過程にあると考えるからです。

現在のTOPIXのPBRは、ほぼ1倍です。もうちょっと低いと思われている方も多いと思いますが、本決算で各企業の純資産は、棄損しています。有価証券の評価損、繰延税金資産の取り崩し、年金債務、当期損失などが、純資産が減る項目です。

日立製作所の純資産は、30%棄損しました。PBR0.7倍だと思っていたのが、実際には、PB1倍だったわけです。

しかし、日経平均が9000円で変わらなくても、儲けることは、可能です。東京電力のPBRは、1.4倍から1.2倍まで下がってきましたが、依然として1倍以上です。化学では、電子材料の会社は、PBR1倍を超えてきましたが、総合化学は、1倍以下です。

具体的には、JSR、日産化学などは、PBR1倍超えですが、三井化学は、PB0.7倍程度です。もし、PBR1倍まで上がるなら、30%の上昇余地があります。

これから、夏までは、各企業、各セクター間のPBRが一倍に収斂する過程だと思われます。夏が過ぎて、来期業績の見通しがたち、PERで評価できそうなら、PERをベースに株価は、上昇するでしょう。そのときの主役は、現在の低PBR銘柄から、ブルーチップ銘柄へ変わるでしょう。

外資系金融機関続々撤退

今回のバブルも、銀行による信用拡大が原因であったことが、以下の記事から読み取れます(記事の裏側ですが)。

弊社もリストラは一段落しましたが、単純に元に戻るわけではないと思います。
外資系金融(日興シティ、モルガン・スタンレー)が次々と日本支店を、邦銀に売り払って、日本を撤退していくのは、単純に彼ら財務状況が悪いからというわけでありません。儲かる市場であれば、他をリストラしててでも残ったでしょう。日本は、逆にリストラ対象して選ばれたのです。

日本という市場の魅力が薄れたためでしょう。単純な手数料ビジネスは、野村、大和、MUFJ証券と戦って勝てると思いません。彼らの給料は、外資と比べてはるかに安いですから。

日本を撤退した外資系金融は、有望市場としてどこを選択したのでしょうか?アジアでしょう。この動きは、2003年から変わっていません。今頃、日本のエクイティに入ってきたバークレイズの気持ちはよくわかりません。

                           2009/4/6 No.1740
10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる

今日のNews
日銀が供給したマネーが実体経済に浸透しにくくなっている。銀行の融資を通じてどれだけ経済に出回ったかを示す「信用乗数」は今年2月に 2007年4月以来の低水準となった。日銀は資金供給を急拡大させたが、 中小企業の資金繰りは改善していない。企業業績の悪化を受けて貸し出 しがさらに伸び悩む懸念も強まっている。信用乗数は07年6月から09年 1月までは7.1―7.3倍だった。今年2月は6.9倍に急低下し、約2年ぶりに7倍を割り込んだ。
                日本経済新聞 4月6日

佐々木の視点・考え方
信用乗数とはマネタリー・ベースが1単位増加することで最終的に貸出 しが何単位創出されるかを表す。銀行が他の民間企業と異なり、税金を使ってでも助けるのは、その信用創造機能にある。 
中央銀行である日本銀行が1万円札を100枚刷って市中に流通させた 場合、市中には100万円だけが流通されるのではない。お札を持つAという人が銀行に100万円を預金するとしよう。その百万円を元に、銀行は別のBという人に100万円を貸し出す。Bは百万円を現金で持っているわけも無く、必要なものを買い、Bに売ったCという人がまた銀行の自分の口座に預金する。そのお金を銀行はまた、Dという人に貸し出すのだ。  

この時点の状況をまとめると、Aは百万円の預金を持ち、Cも百万円の 預金を持ち、Dは百万円の現金を持つ。つまり、日本銀行の刷った百万円は、銀行の信用創造によって、3倍の 3百万円のお金に増えて、市中に流通することになった。  この時の信用乗数は3倍ということだ。

銀行は、預金者の不意の引き出しに応じるために、手元に現金通貨や 流動性の高い資産を常にあるていど保有していなければならない。銀行に不良債権増えると、不良債権は買い手がいなくて言い値で売れ ないから、流動性の低い資産だ。不良債権の元手は預金だから、流動性の低い不良債権に見合った流動性の高い資産を不良債権の代わりに 増やさなければいけない。そのために、銀行は流動性の低い企業向け貸出を減らして、流動性の 高い資産に振り換えるのだ。
結果として、銀行資産中の貸出の比率が低下し、銀行の信用創造が不活発になり、経済全体で、信用乗数が低下することになる。

今日の記事は、世の中でこの仕組みが働いていることを表している。

不況は、中国から回復

久しぶりに戻って来ました。リストラは、まだ続いていますが、いまのところなんとか大丈夫の模様。先週の木曜日は、なかなか強烈でした。なぜ、毎回木曜日なのでしょうか。なぞです。

さて、中国の信用拡大と4万元(60兆円)の公共投資が1月からマーケットの話題をさらっています。シティ、AIG+ビックスリー、中国の3つで、今のマーケットは語れそうです。その中国ですが、自分は景気は中国から回復すると予想します。米国から回復すると主張する人もいますが、借金大国から回復するとは思えません。

中国は、債権国ですので、明らかに米国より回復は容易と思われます。また、中国は、国債の発行による公共投資を進めるインセンティブがあります。アジア各国は基本的には、輸出依存ですが、海外からの投資に頼った債務国ですので、国債を発行して自国通貨が下落すると借金が増えてしまって苦しいのです。

反対に、中国は、米国債を大量に持っていますので、国債を発行して、公共投資をすれば、内需は拡大、人民元下落で、輸出にポジティブ、かつ米国債(外貨準備)の価値拡大といいことずくめなのです。よって、中国は、本気かつ全力で公共投資を行うと思います。もちろん、建設以外にも業界再編などいろいろやると思われます。

GM救済問題と投資銀行

GMの救済問題を考える上で重要なのは、やはりGMが付加価値を生み出す会社であるかどうか。要はトヨタやホンダよりも、いい車を作る可能性があるかどうかでしょう。現状では、かなり厳しそうです。
さて、銀行となった投資銀行が、世の中に付加価値を生み出しうるでしょうか?そもそも、今まで、付加価値を生み出していたのでしょうか?かなり怪しそうです。


【コラム】ビッグ3究極の救済策:この方々に登場を−M・ギルバート
2008-11-20

【コラムニスト:Mark Gilbert】11月20日ブルームバーグ):今月、セーリングで有名な米メリーランド州アナポリスを訪れた際、カフェの窓から見える駐車場の車をチェックしてみると、「ホンダ、ホンダ、日産、トヨタ、ホンダ、トヨタの『レクサス』、マツダ、おんぼろの70年代『キャデラック』」といった具合だった。   
これでは米自動車メーカーが破たんにひんし、財務省に「生命維持装置」を嘆願するのも無理はない。   
だが、だまされてはいけない。米自動車産業に巣食う腐敗は現在の信用収縮とはまったく関係がなく、長年にわたる経営の失敗や質の悪い製品、間違った選択に起因しているのだ。   
ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターの信用格付けの変遷を振り返ってみよう。最初に変調が見られたのは、両社が約10年間維持してきた「A」格付けを米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が引き下げ方向で見直すと発表した2001年8月だった。同年10月、両社の格付けは「BBB+」に2段階引き下げられた。これは投資不適格級を3段階上回る水準。   
従って、生産方式を改善し信頼性を向上させた日本のメーカーが着々と市場シェアを拡大した一方で、7年前には既に米メーカーは下降傾向に入っていたのだ。「信用収縮」という言葉が極めて日常的に使われるようになる、はるか前のことだ。
嘆願よりも辞表を   
GMとフォードの格下げはその後も続いた。05年5月にS&Pはとうとう両社の格付けを投資不適格級に引き下げた。その2年前に起債されたGMの30億ドル(約2870億円)の社債(表面利率8.375%、2033年償還)の価格はその時までに26%下げていた。現在までの下落率は80%余りとなっている。   
GMのリック・ワゴナー最高経営責任者(CEO)は今週、国内自動車メーカーが破たんすれば、米経済の「壊滅的崩壊」を招くだろうと語ったが、同CEOはむしろ辞表を書いた方が良い。現在の情勢を考慮すれば、投資バンカーのボーナス見送り要求は納得できるし、正しいと思われる。ブルームバーグ・ニュースのデータによれば、ワゴナーCEOの07年の報酬総額は1440万ドルだったという。   
また、自動車業界に無制限の金融支援を行うべきだと政治家を説得するために用いられた、極端な表現を使った「警告」はどことなく脅しめいた感じがする。   
ワゴナーCEOは「米経済が被るすさまじい打撃は、自動車業界が必要としている政府支援の規模をはるかに上回るだろう」と指摘。「これは自動車産業の枠をはるかに超え、米経済の壊滅的崩壊からの救済にかかわることだ」と強調した。   
これは、われわれの望むものが与えなければ、その報いを受けるだろうと言っているのと同じだ。私には脅迫のように思える。   
ではどうしたら良いだろうか。ビッグスリー(米自動車大手3社)に直接雇用されている25万人の失業や、自動車関連産業の400万人が失業の危機に直面する状況は、オバマ次期大統領をはじめ誰も目にしたくはないだろう。   
自動車業界の人材を再教育し、気候変動など環境問題の専門家に育てる計画への支持は高まっているようだ。 200億ドル相当の資産運用に携わる、米クリアブルック・ファイナンシャルのトム・ソワニック最高投資責任者(CIO)は、「米政府が、自動車業界救済で提案されている250億−750億ドルを、エンジニアの再教育や、注目度の低い代替エネルギーのインフラや業務の支援に用いれば、より大きな恩恵が得られるのではないか」と指摘している。
5年後の楽しみ   
米紙ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、トーマス・フリードマン氏は今月初め、アップルのスティーブ・ジョブズCEOを説得して、「iCar(アイカー)」開発のため、自動車会社の経営を1年間任せるべきだと提案した。グッドアイデアだ。   米政府はまず最初に、年金と医療保険コストをすべて吸収するべきだ。こうしたコストを事業から切り離すことができれば、自動車メーカーの本当の財務状態が明らかになるだろう。   
その後、自動車業界全体を優れた経営者に委ねるべきだ。GMはジョブズ氏に、フォードはマイクロソフトビル・ゲイツ氏に、クライスラーは投資家のウォーレン・バフェット氏に任せようではないか。そうなれば、5年後にはアナポリスの駐車場の景観も大きく変わるだろう。(マーク・ギルバート)

問題は中国

そろそろ、GM破たん関連のニュースがでるかと思っていたのですが、ダークフォース的にシティバンクが突っ込んできてビックリしました。

とろこで、BRICsの成長は、欧米の過剰消費による外需によるもので、今後の先行きは真っ暗という懸念が広がっています。自分は、中国だけは、今回の危機で、外需が弱含むことで、一時的に成長が鈍化するものの、その後、回復し、米国を抜くと予想しています。

中国は、人口の多さ、貯蓄率の高さ(米国にはない)、教育に力を入れる文化、平等な社会(インドにはない)など、経済成長を促す要素を十分に満たしていると思います。問題は今回の危機で、共産党体制が維持できるかです。革命が起こると、中国経済は20年は、後退することになると思います。起きないと思いますが。

甘粛省共産党を群衆が襲撃―移転問題で不満爆発
2008-11-19 04:06:04.970 GMT   
中国新聞社によると、甘粛省隴南市で共産党委員会の建物が17日から18日にかけて群衆に襲われた。市政府の移転に絡む立ち退き問題の不満が爆発したという。共産党委員会は担当地域の立法・行政・司法をコントロールする最高機関。   

同市政府の発表などを総合すると17日朝、市政府の移転で立ち退きを強いられる約30人が、共産党委員会を訪れ、家屋や土地、今後の生活に対する補償問題の回答を求めた。市政府幹部などが対応して「要求を聞いたうえで妥当な結論を出す」と答えたが、訪れた人々は納得せず、建物周辺を取り囲む人が増え続けた。   

午後8時ごろまでに群衆は約1000人に増え、一部が施設の破壊を始めた。午後9時ごろには投石も始まり警官らに殴りかかる人もあらわれた。午後10時を過ぎると、群衆は斧なども持ち出し、公用車11台を破壊。さらに公共財の略奪行為も始まった。構内にとめていたオートバイや自転車への放火も始まり、駆け付けた消防車は群衆により横転させられた。   

政府側はそれまで話し合いによる解決を試みていたが、事態悪化を阻止する必要があると判断し、警察力を導入して群衆を排除した。17日だけで、警察官など政府関係者60人が負傷した。   

18日には騒ぎがさらに拡大。群衆が共産党委員会を襲撃し警官などと衝突した。政府側は改めて制圧に乗り出し、19日までに騒ぎはおさまったという。   
中国メディアはこれまでのところ、共産党を襲撃した群衆側の負傷者数や、逮捕者数などは伝えていない。(編集担当:如月隼人)

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最も読まれた日本語記事

ブルームバーグの「最も読まれた日本語記事」は、野次馬的興味で、流れてくるとつい見てしまいます。ブルームバーグを持っている人なら同意される方も多いかと。だといいな。。自分だけがヒマ人みたいなので。

「最も読まれた日本語記事」は、経済的な重要性とは、かなり異なっているところが、おもしろいところで、要はかなり野次馬的なのです(人事、給料関係)。本日に関しては、一番重要そうなGDPの2期連続減は4位ですし、GSのボーナス受け取り辞退が1位です。
結局、高額なブルームバーグも、ワイドショーとしてしか使われてないようです!自分だけでなく、みんなヒマ人だったようです。よかった。


最も読まれた日本語記事(17日)―「米ゴールドマン幹部、辞退」首位
2008-11-17

【記者:薦田浩】11月17日(ブルームバーグ):最も読まれたブルームバーグ・ニュースの日本語記事の上位10本は次の通り

1.米ゴールドマン:CEO含む幹部7人が08年ボーナス受け取り辞退へ
2.アジア株:MSCI指数、下落−日本と香港で景気が後退局面に
3.米JPモルガンが世界で数千人削減へ、来年初めから−英紙テレグラフ
4.原油オプション:7月に60ドル見込んだトレーダー、8万ドル損失か
5.7-9月GDPは7年ぶり2期連続減、後退局面示す-設備投資不振
6.金融サミット閉幕:深刻な景気後退阻止へ、政策と監督強化を宣言
7.豪ドルは買い時か−・@Podやビッグマックによる購買力平価が示唆
8.野村HD:元リーマン従業員などの削減計画、東京で30人か−関係者
9.【注目株】あおぞら銀、三井住友F、日産自、東燃ゼネ、大日印、楽天
10.最も読まれた日本語記事(前週)−トップは「BNPパリバ外部委報告」
(注)ヒット件数の集計に基づいて算出

ジム・ロジャース

ジム・ロジャースのコメントは、あまりにわかりやすく、率直するぎるため、ポジショントークだとよく言われます。でも、自分は彼のものの見方は、間違っていないと思います。

ジム・ロジャースのインタビューの日本語訳を読んでると投資家というより、宗教家といった感じがしますね、笑

‘The world is going to change, there is no way around it. If you don’t understand that and you don’t adapt you will be suffering in five years. The Chinese see on TV how we live in the West. They want that too! That generates an enormous demand for products and material.’


「世界は変わっています。それは避けられません。もしあなたがそれを理解していなく、適応できないなら、あなたは5年以内に苦しむことになります。中国人はテレビで西側諸国で私達がどんな生活をしているか見ています。彼らはそれを欲しています!それは製品と材料の莫大な需要を発生させます。」


All countries in the world have been printing money, the United States in particular. That created a huge amount of money, resulting in the icing on the cake for commodity prices. But fundamentally you have to look at supply and demand.

 世界中の全ての国、特にアメリカはお金を印刷していました。それは巨額なお金を生み出し、さらにコモディティ価格を上昇させることになります。しかし、基本的に、あなたは需要と供給を見なければなりません。

Rogers has been negative about the United States for a long time. "You should be worried, America is out of control". The enemies of the United States are currently looking into how to profit from the weaknesses of the United States. When we asked him: Obama or McCain? he answered: "Neither of them. They are both turkeys, they take the wrong decicions."

 ロジャーズ氏は、長い間アメリカ合衆国について否定的でした。
「あなた方は心配しなければなりません、アメリカは制御できません。」 アメリカ合衆国の敵は、今、アメリカ合衆国の弱点から利する方法を調べています。

 私達が彼にオバマかマケインか聞いて、彼は答えました。
「どちらもダメです。彼らは両方ともダメです。彼らは間違った決断をします。」